今回のコミックサマースクールは、青年誌部門、ヤング誌部門、少女・女性誌部門、原作部門、少年誌部門の5ジャンル別に講座が開かれた。
 各日、まず各分野のコミック雑誌編集者が講義と質疑応答を約1時間にわたって行ない、その後、プロ作家2名が登壇。約50名の聴講生に情熱を注ぎ込むように「漫画の作り方」を語っていった。また講義後の質疑応答では、受講者から切実な質問が次々発せられ、答えるプロ作家の言葉にも熱が入っていった。
 初日、青年誌講座。かわぐちかいじ先生が30年近いキャリアで身につけた漫画製作術を恋愛にたとえて語り、弘兼憲史先生がコマの割り方、取材方法などを懇切丁寧に、かつ笑いを交えながら具体的にアドバイス。
 2日目、ヤング誌講座。浦沢直樹先生がプロの厳しさを語りながら、独自のドラマ作成法をホワイトボードをフル活用して表現、江川達也先生が「売れる漫画」を描くための方法論と精神論を魅力たっぷりに熱弁。
 3日目、少女・女性誌講座。さいとうちほ先生はデビューから今日までのコミック作家生活を振り返りながら、プロ作家に必要な「覚悟と決心」を伝え、新條まゆ先生は「心構え」と「実践」の二部構成による明快な講義で、熱血エールを送った。
 4日目、原作講座。武論尊先生が自らの生きざまを交えながら、原作者ならではの「漫画との戦い方」を終始笑顔で講義、やまさき十三先生が原作者人生の原点となった体験を語りながら、コミック業界で生き抜くための「思考方法」を伝授。
 最終日、少年誌講座。あだち充先生と高橋留美子先生が同時に登場、座談会形式での講義となった。「絵について」「キャラクターについて」「構成について」の順序でトークが進む中、実践的なアドバイス、および勇気を湧き出させる貴重な応援メッセージが語られていった。
 のべ18時間強の講義を通して、プロ作家の言葉を心に刻み、漫画の作り方を学び、かつてないほどの刺激を受けただろう受講者たち――「漫画家になってよかったと思う時期がきっと来ますから」というあだち充先生の言葉、そして「この中から何人か、売れっ子漫画家が出てくれることを祈ります」という浦沢直樹先生の言葉のように、今回の受講生の中からプロのコミック作家と大ヒット作が生まれてくることを期待したい。

 
     
弘兼憲史先生
『黄昏流星群』(ビッグコミックオリジナル)連載中。代表作『人間交差点』『課長 島耕作』『ラストニュース』など。
かわぐちかいじ先生
『太陽の黙示録』(ビッグコミック)連載中。代表作に『沈黙の艦隊』『アクター』『メドゥーサ』『イーグル』 など。
 
浦沢直樹先生
『20世紀少年』(ビッグコミックスピリッツ)、『PLUTO(プルートウ)』(ビッグコミックオリジナル)連載中。代表作に『YAWARA!』『MONSTER』など。
江川達也先生
『日露戦争物語』(ビッグコミックスピリッツ)連載中。代表作に『東京大学物語』『BE FREE!』『まじかる☆タルるートくん』など。NSTER』など。
 
さいとうちほ先生
『ファースト・ガール』(プチコミック)、『アナスタシア倶楽部』(flowers)連載中。代表作に『少女革命ウテナ』『花音―かのん―』など。
新條まゆ先生
『覇王(ハート)愛人』(少女コミック)連載中。代表作に『快感(ハート)フレーズ』『悪魔なエロス』『Make Loveしよ』 など。
やまさき十三先生
『釣りバカ日誌』(ビッグコミックオリジナル)連載中。代表作に『福ちゃん』『泣き虫甲子園』『サッチモ』など。
武論尊先生
『HEAT-灼熱-』(ビッグコミックスペリオール)、『G』(ヤングサンデー)連載中。代表作に『北斗の拳』『ドーベルマン刑事』『オデッセイ』『サンクチュアリ』『ファントム無頼』『strain』 など。
あだち充先生
『KATSU!』(少年サンデー)連載中。代表作に『タッチ』『ナイン』『陽あたり良好!』『みゆき』『H2』 など。
高橋留美子先生
『犬夜叉』(少年サンデー)連載中。代表作に『うる星やつら』『らんま1/2』『めぞん一刻』 など。